トランプ2.0政権において、政府効率化省(Department of Government Efficiency、DOGE)のトップとして、連邦政府のリストラに大ナタを振るったイーロン・マスク氏ですが、発足から100日を迎えた段階で「潮時」と判断したのか、政権の手伝いはトーンダウンし、本業であるテスラ社やスペースX社の経営に軸足を戻しています。
DOGEはもともと、米国の建国250周年にあたる来年7月4日(独立記念日)までに任務を完了し解散するという期間限定のイレギュラーな組織として発足しました。しかし、マスク氏の過激で急進的な手法に対し、リストラされた連邦政府職員はもちろん、一般国民や国際社会からも反発が強まり、テスラ社の施設への破壊行為や放火などが相次ぎました。
トランプ大統領としては、反マスク運動が反トランプ運動に波及するリスクを懸念し、早目に手を打ったというところでしょう。
そのマスク氏の最近の話題ですが、テキサス州のメキシコ国境近くにあるスペースXのロケット発射基地「スターベース(Starbase)」が、住民投票の結果新たな自治体として承認されました。
マスク氏は、「太陽系に人類を拡散させる」という彼の野望の中核拠点としてスターベースを位置付けてきました。その第一歩は、巨大宇宙船「スターシップ」を往復させて火星に人類の居住エリアを作ることですが、その前に、NASAのアルテミス計画の一環として、今後数年以内に宇宙飛行士を月に送り出すことを計画しています。
スターベースは、ロケット製造工場の「スターファクトリー」や打ち上げインフラだけでなく、従業員や観光客のための道路、住宅、宿泊施設、基本的な生活インフラの整備なども進めていますが、この地が、月や火星をはじめとした宇宙へのゲートウェイとして、今後どのような発展を遂げていくのかについては興味津々です。
最後に、スペースXが公開しているスターベースのプロモーション動画を紹介します。これを見ると、より具体的なイメージが膨らむのではないかと思います。