AIの登場によって、人類はあらゆるコンテンツの制作コストを劇的に低下できて、かつ制作時間を劇的に短縮できる手段を手に入れたといっても過言ではありません。さらに、AIロボットやAIカーの出現によって、今年はいよいよAIが身体性(自律した物理的行動力)を持ち始める元年とも言えそうです。さほど遠くない将来、人類は知識集約的な作業だけでなく、労働集約的な作業からも完全に解放されることになるのは間違いありません。
そのような時代に備えて、今のうちに、人間とAIが共存共栄していく上での基本認識を整理しておく必要がありますが、私としては以下のようなことが重要かと思っています。
- AIに任せるべきことと任せてはいけないことを明確に切り分ける。
- あくまでも人間が主でAIは従という関係性を崩さない。
- 例えば、マイクロソフトはAIツールをCopilot(副操縦士)と呼んでいますし、台湾のオードリー・タン氏はAIをAssistive Intelligenceと呼んでいますが、これがAIの正しい位置付けだと思います。
- AIに任せた方がよいことは人間が介入せずどんどんAIにやらせる。
- 思考することをAIに丸投げしてはいけない。AIは自分の思考をアップグレードするための手段。
- AI投資だけでなくこれからの新たな人材教育(AIに任せてはならないことを担える人材の育成)に対する投資。
AIと人間の棲み分けについては、一つの考え方として下図のように考えています。すでに人間が行うすべての作業は、入口から出口までAIによるサポートを受けることが可能ですが、その中で人間の付加価値が残るのは特に入口と出口の部分になるのではないかと思います。中間部分は人間が介入するよりもすべてAIに任せてしまう方がよいと思います。

以上、今回は、AIの時代に向き合う上での基本認識について少し整理してみました。